差し迫ったときに作れる”危急時遺言”

1.危急時遺言とは

危急時遺言とは、病気やケガなどで死亡の危急がある(死期が迫っている)と遺言者(遺言を作る人)自身が自覚したときにのみ作成できる特別方式の遺言です。

遺言者が証人に遺言の趣旨を口頭で伝え、それを受けた証人が内容を筆記(ワープロ打ちでも可)する方式であるため、遺言者が遺言の手書きや署名ができない状態であっても作成できる遺言です。(死亡危急者遺言、一般危急時遺言ともいいます。)

一般方式の自筆証書遺言は遺言者自身で遺言内容を筆記する必要があります(改正法により財産目録はワープロ打ち可)。

公正証書遺言であれば遺言内容の手書きや署名ができない状態であっても遺言作成可能ですが、公証人との事前の打合せが必要ですし、遺言者が入院中などで公証役場に出向くことが難しい場合は公証人に出張していただく必要があります。

したがって、自身に死期が迫っていると自覚した状態で一刻も早く遺言を作成したいという場合はやはり危急時遺言が妥当と言えます。

 

2.危急時遺言を作るためには

①遺言者が死亡の危急にあること

危急時遺言を作るためには遺言者が自身に死亡の危急があると自覚している必要があります。

死亡の危急というは医師から余命宣告を受けている場合などのように必ずしも客観的である必要はありませんが、遺言者が死亡の可能性や危険性を妄想したり思い込んだりしただけでは成立しません。そのため、遺言者の身体・精神状態について細かくヒアリングを行い、判例などに照らして危急時遺言を作成して有効となり得るか検討する必要があります。

また、危急時遺言作成後、遺言者が病気やケガが完治・快復するなどして死亡の危急から脱し、普通方式の遺言(公正証書遺言、自筆証書遺言など)が作成可能となってから6か月間生存すると危急時遺言は効力が生じません。

つまり危急時遺言の場合は遺言作成後も遺言者に死亡の危急が継続していることが求めれらるということです。

 

②遺言者が遺言を作る能力があること

遺言者には意識が明瞭で遺言を作成しうる精神状態であることが求められます。

 

③証人3名が立会うこと

危急時遺言は普通方式の遺言よりも遺言者の真意をより一層慎重に確かめる必要があるため、遺言作成には証人が3名以上立ち会う必要があります。

しかしながら、民法では遺言の証人や立会人として遺言者の近親者等が不適格と定められています。

民法 第974条 証人及び立会人の欠格事由

次に掲げる者は、遺言の証人又は立会人となることができない。

(1)未成年者

(2)推定相続人及び受遺者並びにこれらの配偶者および直系血族

(3)公証人の配偶者、四親等内の親族、書記及び使用人

危急時遺言もこの規定が適用されるため、基本的に遺言者の近しい親族や遺言で財産を受け取る予定の者及びその近親者などの利害関係人が証人になることはできません。

そうなると、遺言者の財産を受け取る予定のない友人や遠縁の親族などにしか証人を頼むことができず、証人を3名集めることが困難となります。

ですが、当事務所では危急時遺言の要件となる法定適格のある3名の証人を確保し派遣することができますのでご安心ください。

 

3.危急時遺言をとりまく実情

危急時遺言は遺言者の身体・精神状態によっては遺言を作る能力がないと推定された場合や、作成手順に瑕疵が認められた場合は作成後に無効となるケースがあります。

遺言者の能力、作成手順、立ち会った証人等が適法であるか普通方式の遺言よりも一層の注意を払う必要があります。

また、危急時遺言作成の日から20日以内に

証人の一人又は利害関係人から家庭裁判所に請求してその確認を得なければその効力を生じない。

とされています。

ですが、危急時遺言というのは非常に稀な事案であるため、各家庭裁判所でも年に数件取り扱うかどうかといった現状です。

また、申述を受理する家庭裁判所でさえ危急時遺言については希少さ故に慎重に取り扱う業務であるため、その窓口に立つ専門家にはより一層危急時遺言についての経験や知識が求められます。

しかしながら、北海道には当事務所以外に危急時遺言を取扱っていることを明示している専門家はおらず、実績や知識のある専門家は各都府県に数名いるかどうかだと思われます。

したがって、お住まいの地域に専門家がいないという方又は北海道にお住まいの方で危急時遺言の作成を検討されている方はまず一度当事務所にご相談ください。危急時遺言に関する業務については全国のお客様に対応しております。

 

4.危急時遺言を作る流れ ~当事務所が業務受任した場合~

① 依頼者等(遺言者やその親族など)と電話・メールなどで打合せ

 遺言者が希望する遺言の概要や遺言の対象としたい財産などについてヒアリングを行い、ヒアリング後に見積書を発行します。(見積書の金額等にご納得いただいてから業務に着手いたします。)

② 遺言骨子を作成

 ヒアリングした内容をもとに遺言の骨子を作成いたします。

③ 遺言者と面談

 作成した骨子を遺言者に提示し、さらに細かくご希望をヒアリングし遺言の草案を作成します。

④ 遺言を作成

 遺言者に口頭で伝えていただいた遺言の内容を行政書士が筆記し、証人3名がそれに署名押印します。

 ※遺言者が遺言全文を口頭で伝えることが難しい場合は、証人が遺言の草案を読み上げ、それを聞いた遺言者から明瞭な同意を得て作成するという手段もあります。どの手段で作成すべきかは個別具体的な事情を考慮する必要がありますので、お問い合わせの際は遺言者について詳細をお伝えください。

5.危急時遺言を作る費用

①危急時遺言作成支援:150,000円

②証人報酬:2名以上当事務所から派遣する場合は1名につき20,000円(うち1名分は無料)

最大報酬額①+②:190,000円+税(証人3名全員を当事務所から派遣した場合)※旅費・交通費別途